
保育園や幼稚園で毎年流行する手足口病。どのような病気なのでしょうか?
この春にお子様が保育園や幼稚園に入園予定の方、心してください。必ずもらってきます!
筆者の息子は保育園で1年で2回、もらってきました。この記事ではその時の体験談も踏まえて、手足口病に感染したらどう対処するか、大人が感染した場合などもご紹介します。

あの時は本当に大変だった……
手足口病とは


手足口病とはどのような病気なのでしょうか。感染経路、予防方法も一緒にご紹介します。
夏に流行する感染症
こちらは手足口病について、厚生労働省のホームページから引用したものです。
口の中や、手足などに水疱を伴う複数の発しんが出る感染症
手足口病は、子どもを中心に、主に夏に流行します。感染症発生動向調査によると、2歳以下が半数を占めますが、小学生でも流行的発生がみられることがあります。成人を含めた小学生以上の大半は、すでにウイルスの感染(不顕性感染も含む)を受けている場合が多いため、成人での発症はあまり多くありません。
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html より引用
病気の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA6(CA6)、CA16、CA10、エンテロウイルス71(EV71)などです。
- 主にこどもが感染する病気(大人も感染することがあります!)
- 流行するのは夏
- 主に発熱後に手足口に赤い発疹ができる
- 発疹は1週間ほどで自然治癒する
- 原因になるウイルスが数種類ある→シーズン中何度もかかる可能性あり!
- 発熱する場合としない場合がある



夏はプールに入ることも多く、こども同士で感染が広まりやすいです
主な感染経路
主な感染経路は次の3つです。[1]
- 飛沫感染……咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことで感染する。
- 接触感染……ウイルスが付着した物に触れ、その手で口や鼻に触れることで感染する。
- 糞口感染……便に含まれるウイルスが口に入ることで感染する。
飛沫感染と接触感染は聞いたことがあっても、糞口感染は聞いたことがない方も多いのではないのでしょうか。手足口病になった際は便からの感染もあるため、治った後もしばらくは注意が必要です。具体的な予防方法について次の項目で説明します。



手足口病は症状が治っても2〜4週間は便の中にウイルスが排出されます!
予防方法
- 手洗いはこまめに(石鹸かハンドソープで)
- 消毒はアルコールではなく次亜塩素酸Naを使う
- おむつ替えのときは使い捨ての手袋を着用!
主な予防方法はしっかりと手洗いうがいをすることです。
小さいお子様だとなかなか難しいですが、手洗いだけでもこまめにすることが大事です。
手足口病を引き起こすウイルスはアルコールが効きにくいため、手洗いをする際は石鹸かハンドソープでしましょう。[1]
手足口病になると口の中に水疱ができ、痛みで唾を飲み込みにくくなります。そのため部屋はよだれだらけ…なんてことも。大人が感染しないために、床や室内の消毒は次亜塩素酸ナトリウムを使用しましょう。[3]
先ほども述べた通り、手足口病になった際は便からの感染もあるため、おむつ替えをするときは手袋をし、終わった後は手洗いをしっかりとしましょう!
手足口病に感染したら


手足口病は発熱を伴う場合とそうでない場合があります。[1]
筆者の息子は38度くらいの高熱が1〜2日続き、最初は普通の風邪だと思っていました。ですが熱が下がって程なくして手足に発疹が出始め、これは手足口病なんじゃ?と思い病院を受診。先生に足の発疹を見せてすぐに手足口病と診断されました。
発疹だけでいうと手足口病以外の病気もたくさんあります。まずは医療機関で正しい診断をしてもらいましょう。
基本は経過観察
これだけ毎年世間を騒がしている手足口病。何かお薬や治療方法があるんでしょ?と思う方も多いと思います。
実は手足口病自体に効く飲み薬は無く、できた発疹も3〜7日くらいで自然に治っていくもの[1]なので、病院を受診しても外用薬すら出ないこともしばしば。「せっかく受診したのに、先生お薬ほどんど出してくれなかった…」と残念な気持ちになるかもしれませんが、手足口病はそういう病気と知っていると、納得できるかもしれませんね。
特効薬が無いとはいえ、手足に発疹が出始めると痒みや痛みを感じることがあります。お子様が痒がったり痛がったりしているときはその旨を先生に伝え、症状に応じて痒みどめや炎症どめを出してもらいましょう。
特に痒みが強く掻きむしってしまう場合は傷口からばい菌が入ってしまい、とびひに発展してしまうことがあるので酷くなる前に必ず受診をしましょう。
食事は食べれるもの、食べれる量だけでOK
手足口病で一番辛いのは口の中にできる水疱です。水疱が破れることにより強い痛みを感じることがあります。熱いものや酸味のある食べ物など、しみやすいものは避けるようにしましょう。



息子の場合も……舌に水膨れが沢山できており痛々しかったです。
こちらが実際に当時息子が飲めたもの、食べれたものになります。
お子様にもよりますのでご参考までに!
- 牛乳
- コーンスープ
- キューピーのやさしい献立 舌で潰せるシリーズ(かぼちゃ、さつまいも、とうもろこし)
- ボーロを牛乳で溶かしたもの
- 甘い味のヨーグルト(プチダノンなど)
- きな粉を少量の牛乳でペースト状にしたもの
- プリン
冷めたお粥やおうどん、ゼリー、バナナをペースト状にしたものなどもオススメのようですが、息子は全く食べてくれず。
まともに食事を取れない期間が4日ほど続きました。



食べたがらないときは心配になりますが、無理に食べさせる必要はありません。水分はこまめにあげていきましょう。
水分はこまめに!
手足口病になると口の中が痛いため、摂取する水分の量も減ってしまいます。そのため脱水症に注意が必要です。
経口補水液(OS-1やアクアソリタ)、お茶や水などをスプーン1杯ずつでもいいのでこまめにあげましょう。
息子は水よりもなぜか牛乳を好んで飲んでいました。(牛乳の方がしみにくいのかな?)



一気に飲まさず、少しずつ摂るようにしましょう。
大人が感染した場合どうなるの?
手洗いうがい念入りにし、おむつ替えの際は手袋着用、床は次亜塩素酸でこまめに消毒していましたが……



全て対策していたのに!筆者も感染してしまいました。
まあ今思い返すと涎だらけの顔で抱っこ要求、顔面にくしゃみ、咳を何度もされ……感染しても全然おかしくないですね(笑)
私の場合、症状としてはこんな感じでした。
- 息子治りかけのある日、足の裏にピリピリとした違和感を感じる。(イヤな予感……)
- 足の裏、足の指、手のひらに赤い発疹が出はじめる。
- 足の裏の発疹がとにかく痒い!掻くと痛い!
- 3日ほどで痒みは落ち着き、発症1週間後くらいに発疹があったところの皮が剥けはじめる。
大人の場合は症状が重く出やすいようですが、私の場合は口の中の水疱もできず、まだラッキーだったのかもしれません。
口の水疱がひどい人は口内炎が多数できて痛みが激しく、ウィダーゼリーしか飲めないそうです。
大人も基本は自然観察。治るのを待つしかありません。
壮絶な痒みに耐え……れなかったので自宅にあった痒み止めの外用薬を使用しました。
辛い方は受診して痒み止めや炎症止めを出してもらうことをお勧めします……。
また感染するその日まで……


いかがでしたでしょうか。保育園、幼稚園で必ずと言って良いほど流行する手足口病。
個人的にはもう二度と息子に感染してほしくないし、自分も感染したくない!
もう思い出したくもないですが、今回の経験と得た知識は無駄にならないはず。
少しでも世の頑張るお母さんの参考になればと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
参考文献
[1]厚生労働省>健康・医療>感染症>手足口病
[2]NDI国立感染症研究所>手足口病とは
[3]細矢 光亮>小児のエンテロウイルス感染症>環境感染誌 Vol.32no.6,2017